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2016 フランス撮影紀行【その3】
ちょっと間が空いてしまいましたが、フランス紀行のつづきです。
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【フランス2日目・2016年6月10日】

フランス到着翌日の朝。
ルーアンのホテルで綺麗な朝焼けを迎えました。

「おー! この朝焼けで列車を撮るぞー」と、朝食前に朝練することにしました。

車を北に走らせること40分。目指すはルーアン郊外のミルヴィルの煉瓦橋
1年前に列車に乗って通った時に、チェックしていた場所でした。
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しかし、到着すると見事なドン曇りです、、、(泣
気を取り直して撮影開始です。

煉瓦橋と地平路線がクロスする近くに駐車スペースがあったんで、ここにBクラス君を停めます。

2時間ほど粘って、なんとか1枚だけ、日が差した瞬間に撮れました。
あと1時間早く出ていれば、あのホテルで見たような感動的な朝焼けのカットが撮れたかもしれませんが、アフター・フェスティバル。あとの祭り。フランス語で言えばアプレ・フェスティバル?!
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2016.6.10 SNCF Ligne de Paris-Saint-Lazare au Havre (Viaduc de Mirville)

気を取り直して、ホテルで朝食です。
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と、いきなりの日本食。
実は最近海外に行く時は、賞味期限が迫った非常食を持参するのがデフォになってます。
これなら、海外でも簡単に作れるし、海外なので日本で食べるより多少有り難く食べれます?

朝食後、再びミルヴィルに向かいます。

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2016.6.10 SNCF Ligne de Paris-Saint-Lazare au Havre (Viaduc de Mirville)

橋の廻りは牧草地ですが、このように綺麗に芝生が整備されたサッカー公園がありました。
煉瓦橋をゆく列車を眺めながらサッカーが楽しめるなんて幸せです。
僕も、この近くに生まれていれば、少しは上達したかな、とか。

休日にもなれば、ボールを蹴って遊ぶ子供達と絡めて撮れたことでしょう。
残念ながら今日は平日。

しかし、橋が巨大すぎます。
近づきすぎると列車が見えにくくなるし、遠くからだと意外と障害物が多くて見通せません。

そうこうしているうちに、早くもお昼です。
腹が減っては戦はできぬ。

近くの小さなコミューンに美味しそうなパン屋さんを見つけました。
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チーズとトマトがたくさん盛られたパンと、キッシュ・ロレーヌをいただくことにします。
田舎のパン屋さんなんで物価の高いフランスにしては安めで、ジュース込みで5ユーロ(約600円)ほどでした。

温めてほしかったのですが、何と行っていいのか分からず。
その時、大学の第二外国語でフランス語やってた時の一文が頭を過ぎりました。

"Il fait très chaud aujourd'hui."(今日はとても暑いですね。)

そうだ、hotはchaudだ!
ということで

"Chaud, S'il vous plaît!"(温め、お願いします!)

と適当に言ってみたら、通じました。
大学の第二外国語もたまには役立つものです。

1つ、1つ、アルミ箔に包んで温めてくれました。
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再び、このサッカー公園に戻って頂くことにしました。
周辺に民家はちらほらあるものの、たまに車が通る程度でほとんど人をみかけません。
フランスが日本の1/3の人口密度というのも頷けます。

午前中のロケハンで何とか、橋を見渡せる場所を探し当てました。

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2016.6.10 SNCF Ligne de Paris-Saint-Lazare au Havre (Viaduc de Mirville)

狙いは、引退迫るフランス国鉄のゲンコツ機関車ことBB15000型のTEE色(日本で例えれば国鉄色)だったのですが、来る機関車どれもMultiService色という更新色でして、以前よりも確実に棲息数を減らしているようでした。
ストの影響で列車本数が減っていたのも痛手だったかも。

次の移動までもうちょっと粘ろうと思っていた矢先、
さっきから不穏な動きをしていた牧牛たちが僕に向かって突進開始してきました。
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「あっち行け!」
と言っても全く通じません。
そうか、フランスの牛はフランス語で叫ばなきゃ、ということでGoogle先生の助けを借ります。

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「ラバ、イルヴァ!」
「ラバ、イルヴァ!」
全く効果なし。ぐんぐん近づいてきます。

金網、乗り越えてきたらどうしよう?
こんなところで、「牛にやられました!」なんて病院に駆け込みたくないなぁ。
なんて本気で考えていたら、金網の手前でピタリと止まってくれました。

恐らく、通じた(?)ようです。

今日は、パン屋さんでも、ノルマンディーの牛さんたちともフランス語でコミュニケートできた、よい日でした。

空の雲も徐々に厚みを増してきたので、そろそろ明日の撮影地に向けて移動することにしましょう。

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これから300km近い長い道のりの運転です。

途中のル・アーブルでは、島根のべた踏み坂真っ青の橋を渡ります。
ここはセーヌ川の河口で大型船の航行の邪魔にならないように、こんな橋をこしらえたようです。
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iphoneで撮ったので望遠圧縮効果がなく、いまいち分かりにくですが、凄い坂道でした。

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今回のレンタカーはクルーズコントロールがつき。
長距離のドライブもストレスなく運転できました。
(つづく)

by feel-railside | 2016-08-05 11:52 | 海外
2016 フランス撮影紀行【その2】
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ナルボンヌ近郊をゆく、ニース発ボルドー行アンテルシテ(BB7200形牽引・旧Corail Téoz編成)


冷や汗かきながらの運転で、何とか空港を脱出して大型ショッピングモールに来ました。
一番の目的はプリペイドSIMの購入です。

車での移動ばかりなので、Goole Mapでの地図の表示や列車の運行情報は、気軽にどこでもリアルタイムで手に入れたい。
街中なら公衆WiFiが期待できますが、田舎の線路端ではそれは皆無。
海外ローミングはバカ高いし、レンタルルーターも1日のデータ量の上限があってイマイチ。
結局、現地でのプリペイドSIMが一番安いのですが、最大の難関はショップでのやり取り。
英語の通じない店員さんも多く、また日本のショップ同様1時間近く待たされることもザラ。

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Aeroville内にあるFreeのショップ


さて、今回購入しようとするSIMはFreeという新興勢力(いわゆるMVNO業者)のキャリア。
これまで、フランスの旅行では大手のOrangeやSFRのSIMを購入してきました。
今回Freeにした理由は、店内にプリペイドSIMの自動販売機があるという情報をキャッチしたからです。
これなら、言葉で苦労する店員さんとのやり取りや、長い待ち時間からも解放されます。
ちょうど空港近隣のこのモールにショップがあることが分かったので、ここで買う事にしました。

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店内に入ると早速ありました!
3分で買えるなんて、カップラーメン並みの早さです。
画面は残念ながらフランス語のみですが、容量や利用期間、SIMのサイズを「Oui(はい)」、「Non(いいえ)」とかで進んでいく感じなんで、何とかなります。
最後に住所を入れる項目がありますが、これは適当に今日泊まるホテルの住所を入れればOKでした。
決済はクレジットカードのみでしたが、日本のカードでも大丈夫でした。(恐らくICチップ内蔵のVISAやMasterならOKのようです。)
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1ヶ月、なんと50GB使い放題でなんと30ユーロ(約3600円)!
1日の上限設定もナシ!

OrangeやSFRが2GBで30ユーロ近くするんで、その格安ぶりは半端ないです。
こんな破格の値段で大丈夫なんだろうかと思いましたが、回線は最大手のOrangeをローミングで使っているとの事。
早速持参したSIMフリーのiPadに挿し込んで試してみました。
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LTE回線も掴み、ダウンロードもサクサクです。
とりあえず、ネット環境は整って一安心。

あとはスーパーで、運転中の水分補給用に大量のVolvicのペッドボトルと、ミシュランの道路地図、そしてバゲットを買えば準備万端。
では今宵の宿、ルーアンに向けてスタートです。
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運転も慣れてきて、ようやく快調と言いたかったところでしたが、20分も走らないうちに、サン・ドニで早くも渋滞に巻き込まれました。都心から離れているとはいえ、ここはパリ近郊圏。
パリの外周を囲む環状道路は終日渋滞する場所ですが、夕方の帰宅ラッシュがそれに拍車をかけています。
ただこの辺りは、パリ周辺でも最も治安の悪い地区。
渋滞中の車に、窓を叩いて物売りが来ました。それくらいならいいほうで、ガラスを割って強盗を働く事件も起きているようで、外務省からも注意喚起が出ていたくらいです。

フランス:シャルル・ド・ゴール国際空港からパリ市内に向かう高速道路上等での強盗被害に対する注意喚起

何も起こらないことを祈りつつ、停車中に窓からスタッド・ドゥ・フランスが見えたのでスマホでパチリ。
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いよいよ、明日からEURO開幕。その開会式とフランスチームの初戦が行われ、一ヶ月間フランスはEURO一色になることでしょう。

結局、サン・ドニの通過に1時間半近くかかり、宿のレストランの時間には間に合いそうにありません。
仕方なく、途中のオートルート上のサービスエリアで、レンジでチンのパスタとつぶつぶオレンジジュースで済ますことにしました。
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でも、これ以外と美味しいんで、フランス来る度にカルフールとかで見かけると買ってます。

その後も疲れからか、インターの降り口やラウンドアバウトの出口を間違えたりと、結局、空港から3時間半近くかけてルーアンの宿に到着しました。
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レストランでビールだけ買って部屋に持ち込み一気に飲み干してしまったのは、言うまでもありません。
フランスでの時計の針は22時ですが、日本時間では朝5時まで起きてたことになります。
長い長い1日でした。

明日は早朝からいよいよ撮影開始。
次回からはようやく撮影紀行らしくなると思います。

(つづく)

by feel-railside | 2016-07-13 01:07 | 海外
2016 フランス撮影紀行【その1】

久しぶりの投稿で失礼します。

今年も6月に10日ほどフランスを撮影で廻ってきました。
昨年に続いてのフランスでしたが、今回は取材なしの完全プライベート撮影。
前回の訪問で、次々と撮りたい場所が出てきて2年連続となりました。

ところがタイミング悪く、パリは洪水、国鉄やガソリンはストで大混乱、そしてEURO開催によるテロ警報のトリプルパンチ。
ギリギリまで行くのを迷っていましたが、フランス在住の知人などから情報を得て、報道ほど実際は混乱は少ないとのことで、予定どおり決行することにしました。
現地の宿も初日しか予約していなかったので、最悪フランスがダメならベルギーやオランダ、スイスやドイツに行ったらいいや、と。

ブログの撮影紀行も、毎年尻切れで終わってるので、いつまで続けられるか分かりませんが(笑)、撮影記だけでなく、質問のあった向こうでの運転や宿泊事情、モバイル環境なども取り上げたいと思います。

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トゥールーズ近郊の麦畑の中をゆくTGVDuplex編成


■2016年6月9日
東京羽田10:35発パリ・シャルルドゴール行、JL045便で一路パリへ。
機内は、やはり上述の事情でガラガラ。窓側3列が貸切でした。
ただ機材変更でWiFi非対応の機材に、、、。色々と現地の情報などの調べ物をしようと思ってましたが、予定が狂ってしまいました。
定刻より30分も早く到着。レンタカーの時間まで1時間半近く空いたので、先にレンタカー事務所で荷物だけ預かって貰いました。

空港駅の様子を見に行くと、案の定ストの影響か大混乱。空港を発着するTGVは辛うじて、そこそこ動いているようでしたが、市内へのRER・B線はほとんどストップしている模様。
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ディスプレイもブルーバック。


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自動券売機も発券中止。全くやる気がありません。


申し訳程度に開いた一つの窓口に長い行列ができていました。
とりあえず明日同じ便でフランス入りされる某Sさんに、状況の報告だけしておきました。

空港の売店でEUROのTシャツを買ったりして時間を潰して、再びレンタカー事務所へ。
荷物もトランクに既に入れてくれたらしく、フランスのAVIS、なかなかサービスがいいじゃありませんか。しかし書類を確認していると、当初借りる予定だった車種「プジョー308」の文字がありません。
替わりに「TOYOTA Yaris」の文字がっっ!
Yarisとは、ヴィッツ(Vitz)の海外ブランド名ですが、何でフランスまで来てヴィッツ?
「フランス走るんだったら、フランス車がいい。しかもグレード落ちてるし!」
と主張します。(←フランスを含め海外では納得いかない場合は自己主張は大事です。)
すると、
「あくまで車種名は例だから。ここにはプジョーはない。どうしても乗りたいんだったら、第1ターミナルの事務所で相談してくれ」
とのこと。
ただ、さすがにプジョー308の価格でYarisでは、レンタカー屋さんもマズいと思ってくれたのか、替わりに1グレード上のメルセデスのBクラスを価格据え置きで提案してくれました。
「これが私達にできる最大の誠意だ」
と言ってくれたし、この日はこれから宿のルーアンまで200km近く走らねばならず、もうこれ以上時間かけるのも面倒だったので、ここで妥協しました。

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かくして、フランス11日間のドライブ、ドイツ車で廻ることとなりました。

海外で車を借りて最初の1時間ほどは、いつも緊張で冷や冷や。
ハンドルと通行も逆なのに、いきなり空港内の複雑な道路。
特に、シャルル・ドゴール空港の車道は3階立てで、ぐるぐるループしながら車線変更しなければいけないので、自分がどこを走っているのか分からなくなります。まあ、間違ったらもう1回廻ったらいいんですが(笑)

何とか空港を脱出して、まずは、空港から10分の場所にあるAeroVilleというショッピングセンターに入りました。
ここで道中に必要な物資を調達します。
(つづく)



by feel-railside | 2016-07-11 15:04 | 海外
フランス紀行2015【その4】リールにトラム保存鉄道を求めて
忘れた頃にやってくるフランス紀行。
今回はフランス北部の町、ベルギーとの国境にも近いリールに向かいます。

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出発はパリ北駅(Gare du Nord)。
歴史ではパリ・サン=ラザール駅に劣りますが、駅舎の規模、荘厳さではパリのターミナルの中でもナンバーワン。

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パリ北駅で好きな風景が、この荘厳な(!)パタパタ。
フランス国鉄(SNCF)の駅では、列車の発着案内は液晶モニター化が進んでおり、もちろんパリ北駅にも設置されていますが、このように古い装置もちゃんと残されています。
古めかしい駅の雰囲気ともマッチしています。

だだ一文字ごとにパタパタする為、全体の表示が切り替わるのにすんごく時間がかかります。
というか、常にどこかがパタパタしている状態です。
ロンドン行きのユーロスターやブリュッセル、アムステルダム、エッセン行きのタリスなどが表示され、ひときわ国際色豊かで旅情を掻き立ててくれるパタパタです。

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駅で見つけたヘンなモノ。
どうやら待ち時間を解消する為の新手のアイテムのよう。運動不足解消しながらスマホが充電できるという一石三鳥的な発想。
僕も使いたかったんですが、彼女たちどいてくれませんでした。

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さあ、そろそろリール=ユーロップ経由のダンケルク行きのTGVが発車時間が迫ってきました。
TGVはリニューアルする度に残念な塗装になります。

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パリからリールまで250kmをほぼ1時間で結びます。パリ近郊では在来線を走ることを加味するとLGV区間ではほぼ300km/hのトップスピードで走行します。
今回はスポンサーからユーレイル・グローバルパスを提供して貰ってたので基本乗り放題なのですが、TGVと一部のInterciteだけは事前指定が必要で、その都度9〜18ユーロ徴収されます。
ここらへんが事前指定の要らないドイツのICEと比べるとTGVのイマイチ使い勝手が悪いところです。

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翌日、残念ながらリールは1日雨模様。

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まずは、ホテル近くのリール=フランドル駅をパシャリ。
そしてリールにはもう一つターミナルがあります。
ここと、昨晩降りたリール=ユーロップ駅。
前者が昔ながらの行き止まりの頭端ホームが並ぶ駅。駅舎も趣きがあり、歴史はあるもののローカル列車が主体に成り下がっています(リール止まりの一部のTGVも発着)。
後者はTGVの延伸とともに開業した近代的な駅で、ここでイギリス、ベネルクス3国に分かれる結節点となっており、まさにヨーロッパの鉄道の要衝。TGVやユーロスター、タリスがひっきりなしに発着しています。
ただ両者の距離は500mほど。間には巨大なショッピングモールがあり、徒歩での連絡が可能です。

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そして、そのリール=フランドル駅の地下からトラムが運転されています。
ここリールのトラムの開業は1909年。実に100年以上運行され続けています。
今でこそ、フランスはトラム天国、百花繚乱の様相ですが、一時期モータリゼーションの発達でフランスのトラムは瀕死の状態にありました。その中でも生き残って営業続けているのが、ここリールと、マルセイユ、サン=テティエンヌの3都市だけなんです。
それ以外の現在走っている都市は、一旦は廃止されて復活したか、新設された都市です。

その意味では歴史あるリールのトラムですが、90年代半ばに近代化されて、それまでの主力だったデュワーグカーは駆逐さてしまいます。替わりに、イタリア・ブレダ社(後のアンサンドル・ブレダ社。今年、日立製作所が買収したフィンメニカ社の傘下企業)の低床車が導入されました。

が、このクルマ、イタリア製の割にはカッコイイとかオシャレというよりブルドッグのよな無骨なデザインで、個人的にはあまり好きではありません。
運転台の後ろに殆どの制御機器を載っけてるんで前面展望が出来ないのも大きなマイナス。
ただ乗ってみると、やたらと加減速が良く、昔の大阪市交の地下鉄20系のような甲高いVVVF音をキュンキュン鳴らして、懐かしい雰囲気には浸れますが(笑)
とはいえ、好き嫌いで撮らない訳にもいかず一通り乗って、曇天でも綺麗に撮れそうな場所をロケハンしながら、なんとか撮影を済ませました。


さて、前置きが長くなりましたが、午後からは楽しみにしているトラムの保存鉄道を訪問します。
保存鉄道と言えば、蒸気機関車を思い浮かべることが多いかもしれませんが、欧米では少なからず路面電車を動態保存しています。ちなみにフランスで路面電車の保存鉄道を運行しているのはリールだけで、AMITRAM (←運転日やダイヤもこちらのリンクから確認可能)というボランティア団体が運営しています。ただ郊外のMarquette地区という住宅地の中にあり、決して行きやすい場所にはありません。

とりあえずは腹ごしらえ。
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フランス全土に展開するパンのチェーン店「PAUL」。
日本でも敷島製パンがライセンスを受けて出店していますが、リールが発祥の地。そしてここがその本店です。
さすがに本店だけあって、雨ながらも行列ができています。
日本にはないマカロンやメレンゲなども並んでますが、野菜と鶏肉を挟んだサンドで簡単に済ませました。

実はどのバスに乗ればいいのか分からなかったのですが、何となくMarquette地区に行きそうなバスを路線図で探して、バスに揺られること30分。Googleマップを眺めながら近そうな停留所で適当に下車します。
さらに住宅地の中を歩くと15分。
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ようやく看板を発見!

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まだ営業運転前ですが、入念に試験走行していました。
というのも、今日(5/31)が今年最初の運行日。

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どうもポイントの調子が悪いようで油を挿しています。
ご覧のように、おじいちゃん達が運転のボランティアスタッフ。

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車庫には他に2台保存されており、両方とも動かせるとのこと。
右の432号が1921年製、左の小さい74号が1920年製でこっちは単車(非ボギー車)との説明でした。
今回乗る車両が一番古い車両で1910年製で、何と御歳105歳!
リールに路面電車が開業したのが1909年なので、開業1年後から走っている車です。

で、客は僕一人。完全な貸切列車でした。
運転室にも入れてくれました。(と言ってもオープンデッキなんで誰でも入れますが)
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2km程度の距離と聞いていたので、のんびり走るんだろうな、と思ってましたが結構かっ飛ばします。
吊り掛けのモーター音もいい感じです。

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生憎の天気でしたが、しっとりと落ち着いた運河沿いの住宅地の中を走る姿も絵になります。

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こんな感じで電車と一緒にジョギングする姿も。
僕もこの辺に住めば、最近サボってるジョギングも嬉々として続けられるんだけどなー、とか(笑)

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最後に流し撮りで、Au revoir!
この画像を帰国後メールで添付して送ったら、とても喜んで貰いました。

こんな住宅地の中で車両だけでなく、車庫、レールそして電気設備まで2kmの距離とはいえ維持費は相当なもの。
それでもボランティアと寄付だけで運営し、住民にも受け入れられて(←直接聞いた訳ではないけど)、あたかも現役路線かのように走る姿に、ヨーロッパの鉄道趣味に対する懐の深さを感じたのでした。

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1日中雨の中、動いた体は冷え切っていました。
リール名物のムール貝の白ワイン蒸しを食べて体を暖めてから、パリに帰ることにしました。

(つづく)


by feel-railside | 2015-10-03 21:38 | 海外
フランス遠征 2015 【その3】トゥールのトラム
初めて訪問した街でトラムを撮影する場合、まずは起点から終点まで乗り通します。

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※トゥールのIC乗車券…紙製ですが中にはICチップが埋め込まれており車内のカードリーダーにタッチします。1日乗車券は3.90€(約550円)。無効になっても、停留所の券売機でチャージ(乗車券情報の書き込み)すれば、何度も繰り返して利用できます。バス・トラム共用。


いい景色に巡り合うと思わず下車したくなりますが、とりあえず撮影は我慢。

車窓から撮影に良さげなポイントはどんどん、GPSで現在地を示すスマホのGoogle Mapに保存しておきます。

その地図をもとに、光線状態などを加味すれば効率のいい撮影プランを練ることができます。


それで、やはり最初に訪れたかった場所はココ。

既にトゥールのトラムの撮影名所ともなっていますが、外せません。
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Tramway de Tours Ligne-A Christ-Roi〜Tranchée

トータルデザインを手がけたのはコンセプチュアル・アートの第一人者、ダニエル・ビュラン。


トラムが横切るロン・ポワン(Rond Point※ラウンドアバウトの仏語)内に、得意のインスタレーションさながらの真っ赤なオブジェを大胆に配置しています。


ビュランは既に、アルザス地方のミュールーズで実績を作っておりトゥールは2例目。

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Tramway de Mulhouse Ligne-3 Porte Haute


ミュールーズでは、半円状のカラフルな巨大な円弧を用いて、遠くからでも駅(停留所)と判るようにシンボライズさせていました。


そしてシンボライズに留まらず、この円弧に架線柱とビームの機能を持たせていたことに感心したのですが、トゥールでは単なるオブジェに陥っているのが、残念なところでした。




次に訪れたのは、トゥール南郊にあるショッピングセンターの近く。この林の中を走るトラムにトキメキでした!

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Tramway de Tours Ligne-A L'Heure Tranquille 〜 Pont Volant

この区間は是非とも絵にしたい、と勿論下車。

たた当日は、晴れたり曇ったりの猫の目のような天気。

こういう時って、だいたい列車の通過時だけ曇ってしまったりするんですが、フランスに来てもその傾向は御多分に洩れず。



あれやこれや地平スレスレのアングルから撮っていたら、線路脇の家から人が出てきて、声を掛けられました。

「ヤバい。『こんな場所で何してんだ』とか言われそう」

と、一瞬緊張してしまいましたが、ニコニコしながら僕に寄ってきて、フランス語混じりの英語でこの場所について説明してくれました。

なんと、この場所はもともと車道で芝生の軌道部分はアスファルトだったとのこと。

アスファルトを剥がして、そこにトラムの軌道を敷いて芝生を植えたらしく、おかげでアスファルトから発する熱がなくなり家も涼しくなった、と大袈裟な身振りで説明してくれました。

で、剥がされた道路はこの並木の東側(写真で言うと右側)に移設されています。

何とも二度手間な工事ですが、魅力ある路線にする為に労を惜しまないところがフランスらしいな、とも思いました。



そしてもう一つ。トゥールのトラムはまた夜の走行シーンが魅力的だったりします。

理由はこの後の写真を見て頂くとして、ただ今は5月下旬。

緯度の高いこの辺りでは22時頃にならないと暗闇に支配されません。

ここは一旦、食事でもしてホテルで日が暮れるのも待ちましょう。

前日のパリで、40€(約5600円)近く晩ごはんで散財してしまったので、今晩は質素にカルフールのお惣菜で済ませます。
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ビールのロング缶を入れて6.5€(約880円)と、まずまずのコスパ。



21時を過ぎて、再び撮影開始です。

この車幅と一体化したヘッドライトがカッコいいんです。
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Tramway de Tours Ligne-A Jean Jaurès 〜 Nationale(次の写真も同区間)

そして後ろ姿のテールライトもまた。

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撮影を終えた頃は既に23時前。

やはり、ヨーロッパで夜景を撮るなら秋〜冬ですね。21時を過ぎるとレストランの前以外は人通りも減ってひっそり。

トラムは既に終電。

ホテルまでとぼとぼと歩いて帰りました。

(つづく)

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(トゥールのトラムの路線図 ※拡大版はここをクリック)


by feel-railside | 2015-08-13 21:04 | 路面電車・LRT
フランス遠征 2015 【その2】パリ→トゥール
だいぶ間が空きましたが、お盆期間中にボチボチ話を進めていきたいと思います。


パリを拠点に最初に目指したのがトゥール。

世界史的には「トゥール・ポワティエ間の戦い」で有名ですが、今は人口15万人足らずのロワール川沿いの小さな町です。

トゥールには、2013年8月から新しいトラムが走り出したのですが、僕の前回のフランス訪問は2013年6月。残念ながら開業前で、ようやく初訪問となります。


パリからトゥールへの鉄道での行き方は

(1)パリ・モンパルナス駅からTGVで …所要時間約1時間15分
(2)パリ・オステルリッツ駅からCorail Intercites(都市間急行列車)で …所要時間約2時間20分

の2通りありまして、

(1)は天下のTGV。早いけど料金は割高。
(2)はTGVの倍近く時間はかかるけど、運賃はTGVの半分以下。

となると自ずと選択肢を絞られます。



オステルリッツ駅はパリのターミナルの中では唯一未訪問ということもあり、駅の観察をかねて後者を選択しました。

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メトロ8号線でセーヌ川を渡るとすぐにオステルリッツ駅です。

メトロはセーヌ川を渡る為に地上に出ており、駅舎の2階に乗り入れています。

そしてフランス国鉄の路線は、この路線に直交するように(写真でいうと、左側DEPARTと書かれた建物)の中に頭端式のホームが並んでいます。

ちょっと規模は違いますが、東京で言えば渋谷の地下鉄銀座線とかつての東急渋谷駅と似た構造と言えば、分かりやすいかもしれません。

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パリの6つのターミナル駅の中では、ここオステルリッツ駅とサン・ラザール駅の2駅はTGVの乗り入れがありません。

サン・ラザール駅はパリ近郊(イル=ド=フランス地域圏)へのトランジリアン(郊外列車)が頻繁に発着する忙しい駅ですが、オステルリッツ駅はそれらの発着も少なく、パリのターミナルの中では一番のんびりとした雰囲気です。

これから乗車するトゥール行の機関車(BB7200形)が旧塗装&旧SNCFロゴってのも、この駅の佇まいにマッチしています。


さて、発車時間も迫っていたので、早々と乗り込みます。
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今回乗車したのは2等車両。

座席の配列はヨーロッパでは一般的な集団見合い式。

日本では京急の2000形や元成田エクスプレス253系で見られるくらいの珍しい配列ですが、何を隠そう、このCorailの座席配列こそ、進取の精神溢れる京急2000形の元ネタだったりします。

特等席は、中央部にあたる4人掛けのボックス部分。

こんなガラガラな状況なので、もちろんボックスに足を伸ばして独り占めです(^ ^;;


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パリを出ると早速車内検札です。

つい2年前まではIT化などは無縁なフランス国鉄でしたが、今やフランス国外でも事前にアプリをインストールしてチケットレスで予約・購入ができるようになりました。

予約内容をiPhoneのPassbookに登録して車掌に見せれば、車掌側の端末で2次元バーゴードをスキャンして検札終了です。



パリを出発すると、しばらくはゆったりとしたスピードでセーヌ川の東側を走りますが、途中で内陸に針路を変えると、一気にスピードアップします。

このルートはかつてのフランス西部や南部へのメインルートでした。

90年代から高速新線であるLGV大西洋線が建設されると、優等列車はこぞってTGV化してしまい、完全にローカル線に成り下がってしまいました。

TEE特急「アキテーヌ」や「キャピトール」が時速200kmでボルドーやトゥールーズを目指して駆け抜けたのも今いずこ。

でも、そんな兵どもの夢のあとをのんびりとしたスピード(それでも時速160kmは出します)で辿るのもまた乙なものです。

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街→小麦畑→街→小麦畑、、、の無限ループがフランスの車窓風景ですが、アクセントを入れるかのように忽然と姿を現わす原子力発電所もまたフランスらしい風景です。

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列車がオルレアンに近づくと、古びた高架橋がずっと線路に寄り沿って伸びています。

何やら、九州・宮崎の日豊本線沿いのリニア実験線跡と瓜二つの光景。

実はこれ、フランス国鉄が次世代型鉄道として開発した、空気浮上式鉄道「エアロトラン」の実験線跡なのです。

「跡」の名の通り、結局「エアロトラン」は騒音やエネルギー効率性の観点から早々に開発を断念します。

磁気と空気の違いこそあれど、どちらも浮上式鉄道の実験線跡。

片やリニアに本格着工に舵を取った日本。片や浮上式は諦め鉄輪式鉄道の更なる高速化に変更したフランス。

どちらが吉と出るかは、いずれ歴史が証明するところでしょう。

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オルレアンをすぎると、車窓の街並みは変化します。

さすが数々の歴史の舞台となったロワール川流域。

古めかしい教会と、それを取り巻く石積みの街並みが歴史の重みを感じさせます。

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ロワール川を渡河すると、フランスの鉄道の要衝、サン・ピエール・デ・コール。

ここから5分。盲腸のように伸びた線路を走るとトゥールに到着です。

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頭端式のホームには短編成のTER車両。

パタパタ式の案内板。

いかにもフランスらしい地方都市の終着駅。

さあ、荷物を一旦ホテルに預けてトゥールの街をさるく(注)ことにしましょうか。

(注)「さるく」とは「街をぶらぶらとあてどなく歩く」の肥筑(福岡県筑後地方、佐賀・長崎県域)方言でして、これほど短い動詞で、この状態を的確に表現できる言葉は他にない→できれば標準語化、と願っている一人です(笑)

(つづく)

by feel-railside | 2015-08-11 11:46 | 路面電車・LRT
フランス遠征 2015 【その1】
書こう、書こうと思いつつ、帰国して1ヶ月超。
ようやく重い腰を上げて始めることにしました。

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今回の取材の目的は大別すると、

・フランス国内の主要都市のトラムの撮影
・レンタカーを使ってSNCF(フランス国鉄)の列車(主にTGV)の走行写真の撮影

でした。


与えられた日数(18日間)で効率よく撮影できるように、半年程前から熟考を重ねて

【前編】パリを起点に放射状に鉄道を使ってトラムを撮影
【中編】パリからニースまでレンタカーを使い縦断しながら撮影
【後編】ニースからパリに戻りながら再びトラムの撮影

という大まかなルートが浮かび上がってきました。
細かいルートは、決めずに現地で天候次第で自由に動けるようにしました。

そして、実際に辿ったルートが下記の通り。
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出発:5月27日
成田発パリ(シャルル=ド=ゴール空港)行きJAL045便
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空港からパリ市内へは、多少値段が高くても大抵バスを使ってました。
ただ、夕方のバスは渋滞に巻き込まれることが多いのが難点。
今回はできるだけ早くホテルに着きたかったので、鉄道(RER)とメトロを使ってホテルを目指すことにしました。

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ターミナル2にはRERとTGVの路線が乗り入れています。
RERはターミナル2が終点なので、ホームに降りて停まってるどの列車も必ずパリ中心部まで行けます。

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硬い座席とエアコンのない蒸し風呂のような車内。
この列車に乗ると、一気にパリに来たことを実感します。


さて、ホテルの到着を急いだ理由は、その日のうちに携帯のショップに行って、モバイルの通信環境を整えたかったからでした。
今回の取材では、車でwifiのないような地方都市を回ることも多いので、咄嗟の情報収集や位置の確認に、通信手段の確保は重要。
前回はSFRという会社を使って田舎で痛い目に遭っているので、今回はフランスのdocomo的存在、OrangeのプリペイドSIM一択です。


ホテルに着いたのが18時過ぎで、ほとんどのショップは19時で閉店。
ただ、パリ市内の中でもオペラ座とフォーラム・デ・アルというショッピングセンターの中にあるOrangeだけが20時までやっていることを事前にチェック済。
ホテルから近いほうのフォーラム・デ・アルのお店にすぐ向かいました。
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元はパリの胃袋と呼ばれた中央市場の跡地に建った、このショッピングセンター。
ただ内部の構造が複雑すぎて、なかなかショップにたどり着けません。
30分ほどウロウロして、他のお店の店員さんに聞いたりしながら、ようやく到着。

店内は閉店間際にも関わらず盛況。
店内で更に30分ほど待って、ようやく応対してくれました。

一応、英語の通じる店員さんでしたが、9割方フランス語発音で殆ど聞き取れません。
お互い何とか身振りと単語の羅列で意思疎通を図り、事前にダウンロードしていたプリペイドSIMの画像を見せると、すぐに用意してくれました。
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今回は3週間近く滞在するので、一番右側の€30で2GB(1ヶ月間有効)のデータ通信ができるカードを購入。
これに€9.95のSIMカード発行手数料をプラスした€39.95(約5500円)で滞在中のネット環境は整いました。

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一つのSIMで標準、マイクロ、ナノの3種類をカバーしています。

店員さんにSIMフリーのAndroidのスマホを渡して、アクティベーションもお願いしました。
SIMを挿すと、SMSが届いて、レシートに記載している12桁のコードを入力すれば電話番号が割り振られて無事開通。
すぐにデータ通信も可能になりました。

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日本の携帯をそのまま持ち込んでの「海外パケホーダイ」は2980円/日と全くの非経済。
事前に日本で調達できるレンタルのルーターも短期滞在にはいいかもしれませんが、最低でも1日1000円はかかるので、3週間の滞在だと気が引けます。

言葉の壁がやや障壁になりますが、こうして現地でプリペイドSIMを調達するのが一番安上がりです。

では次回から、いよいよ取材の話をしていきたいと思います。
(つづく)


by feel-railside | 2015-07-20 02:22 | 海外
2014 欧州紀行 【6】ブダペスト Budapest その1
昨日、何気なく鉄道のニュースサイトを見ていたら「スペインの鉄道車両メーカーCAFがハンガリー・ブダペスト向けの最初のトラムを落成した」というニュースを見て、


そうえいば、このブログのヨーロッパ紀行、昨年11月の「ミュンヘン→ブダペスト」の夜行列車の紀行で更新が止まっていたことに気づき(汗)
そして、どうでもいいことだけど、CAFといえばスペインのサラゴザに工場があるなぁ。サラゴザと言えば、アギーレ元監督がリーガ時代に八百長の疑い持たれたとこやん、と妙なタイミングを感じたりして

慌ててアップすることにしました。
というわけで、しばらく欧州ネタで残りをやっつけて行きますが、宜しくお願いします。

■5/24(土)
ブダペスト東駅では、高校時代の友人で現在ブダペストに海外赴任しているM君と落ち合いました。
異国の地で、旧友に会うとは不思議な感覚でしたが、とりあえず構内でコーヒーでも飲みながら軽く雑談して、今晩泊めて貰うので、スーツケースを預けて早速市内のトラムの撮影です。

ブダ王宮近く橋から、とりあえずの1枚
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Budapest Villamosvonalak 2 Vigado ter - Marcius 15 ter
ドナウの真珠と称えられているブダペストなら、そんな真珠がどんぶらこと流れるドナウ川も、透き通るような川をイメージしていましたが、

ただの泥の河

でした。
川だけ見れば、宮本輝の「泥の河」よろしく大阪の安治川さながらですが、やはり取り巻く建築物は雲泥の差。オーストリア=ハンガリー帝国時代に築かれた建築物は圧巻で、まさに街全体が巨大な美術館。ウィーンには劣るかもしれないけど、俗化してない分観光客もそれほど多くなく、ゆったりと楽しめます。

しかし、今日は暑い、暑い。気温も30℃を超えています。
汗だくになりながら、一軒の良さげなカフェを見つけました。まだ開店準備中でしたが、テラス席ならOKということで喉を潤すことにしましょう。
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かつてはオーストリア=ハンガリー帝国と呼ばれた場所柄、今でもオーストリアとの結びつきの強い国。
ここは大好きなオーストリアのビール「エーデルワイス」で喉を潤します。アルペンハーブの香りと甘いヴァイツェンの風味が何とも喩え難い味です。
と、気分良くビールを飲んでいるとグラスの向こうを電車が走って来ました!
慌てて飲み干して、再び撮影モードにスイッチです。

すると、古めかしい電車が走ってきました。
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Budapest Villamosvonalak 2 Marcius 15 ter - Fővám tér
あとで調べて分かったのですが、何と1906年製!人間で言えば泉重千代さんが走っているようなもんです。元々ブダペストで走っていた車両だったんですが、途中でオランダのアムステルダムに譲渡されていたようです。しかし80年代にアムステルダムで廃車になった後、再びブダペストに戻されて2012年から観光用の「ノスタルジック(N)」号として休日を中心に運転されているとのことでした。

さてさて、ハンガリーでもモバイル通信の確保の為に、プリペイドSIMカードを買い求めることにしましょう。M君の情報によると、ハンガリーでもT-mobileが優勢らしく、早速M君の勧めてくれたT-mobileショップに向かいます。
しかし肝心のプリペイドSIMはショップでは販売しておらず、同じショッピングセンター内のタバコ屋に売ってる、とのことで調達。早速SIMを取り替え、APNの設定の設定をするものの、うんともすんとも言いません。
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たまらず、T-mobileのショップに行って、英語のできる店員を捕まえると、
「このカードは通話しかできないよ。」
「モバイルルーターのデータ通信で使うのなら、別にチャージしなければいけないよ。」
みたいなことを言われ、結局2500Ft(約1200円)を払い7日間500MB使えるようにして貰いました。

夕方になって、天気も悪くなってきたところでM君の家に向かうとにします。
地下鉄とバスを乗り継いで行くのですが、地下鉄の駅がすごい、すごい。
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ちょうど3か月前に開業したばかりの路線(4号線)で、どの駅も豪華過ぎるつくりです。旧東欧圏の地下鉄の駅は冷戦時代に、万が一の場合に備えて、核シェルターとして使えるようにと、広大な地下空間で設計されていたようで、この駅も例外なく、やたらと地中深くにあるんですが、その割には全くと言っていい位閉塞感がなく、空恐ろしく感じたほどでした。
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借家とはいえ豪奢なつくりです。さすがM君も出世したなぁ、と。近くのホテルのレストラン一緒に食事して記念撮影。
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食事のあとは、ライトアップしたブダ王宮とドナウ川をバックに走る電車を撮りたい、というワガママを言って、また一人でブダペストの夜の街へバスに乗って繰り出します。
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Budapest Villamosvonalak 2 Vigado ter - Marcius 15 ter
泥の川だろうが、透明な川だろうが、夜になれば真っ黒。
ライトアップされたブダ王宮と鎖橋、ドナウの川面を照らす観光船の脇を、ハンガリー・ガンツ社製の細面の電車がガタゴトと走り抜けます。最後にようやく満足できる1枚が撮れました。帰りはM君に車で迎えに来て貰いました。
こうしてブダペスト1日目は過ぎて行きました。
(つづく)

by feel-railside | 2015-02-08 22:47 | 海外
2014 欧州紀行【6】 ミュンヘン→ブダペスト EuroNight 463列車 夜行列車の旅 
■5/23(金)

ミュンヘンでの撮影を終えて、今宵の宿はこの列車です。
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ミュンヘン発ブダペスト行EN463列車。
ハンガリー国鉄(MÁV-START)のボロい渋い車両です。
途中、オーストリアのザルツブルクまでは、クロアチアのザグレブ行499列車と併結して運転します。
かつての東京口のブルートレイン、「出雲3,2号」と「紀伊」が名古屋まで併結運転すると言えば分かり易いでしょう。
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チケットはDB(ドイツ鉄道)のサイトからオンライン予約しました。ICE等のチケットは自宅のプリンターでのプリントアウトでOKでしたが、なぜかこの列車に限ってはわざわざ国際郵便による郵送でした。
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個室を一人で使うので、€139(約19000円)と割高でしたがスリなどの心配も要らないし、ゆっくり休みたかったのでちょっと奮発しました。
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室内はこんな感じです。
赤とピンクという、場末のラブホを彷彿とさせる室内の配色がナントモですが(汗)、構造は日本のブルートレインのA寝台個室(シングルデラックス)に似ています。ベッド幅と天井高は一回り大きいです。ベッドは3段式になっており、3人用個室まで対応しています(更に隣の部屋とのロックを外せば、3X2の計6人のコネクティング個室にも出来るみたいです)。
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テーブルを跳ね上げて洗面台が出てくるギミックも日本と同じですね。
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空調関係のスイッチ類も何となく記号で分かります。0,1という二進法表記は独特ですが。
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出発後、すぐに車掌が来て、切符を回収します。また下車時に渡すとのこと。
ミュンヘンを出て1時間もするともうオーストリアとの国境付近です。
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オーストリアに入り、国境の町、ザルツブルクに停車しました。ここでザグレブ行を切り離すと同時に時間調整の為の長時間停車です。奥にはÖBBのタレント(近距離電車)が休んでいます。
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ドイツ到着からのハードスケジュールのせいか、ぐっすり眠ってしまい、目覚めた時には、既にウィーンも過ぎハンガリー領内に入っていました。
ドイツやオーストリアで見られなかった、だった広いハンガリー小平原の中を列車は走っています。
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着替えを終え、洗顔歯磨きを終えたところで、ドアのノックの音が聞こえました。
車掌が朝食を持ってきてくれました。
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といっても駅の売店で買えそうなパンやオレンジジュースで、正直ないよりマシといった感じの内容ですが、運賃に含まれているのでヨシとしましょう。唯一嬉しかったのが、淹れたてのコーヒー。濃いめに淹れてくれててお替わりもできました。車窓を眺めながらのコーヒーは洋の東西問わず美味しいものです。

個室のコンセントは色んな充電で大忙し。
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そうこうしているうちにハンガリー西部の比較的大きな都市、ジェールに到着しました。
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ドナウの流れが車窓に近づいてくると、終点ブダペストはすぐそこ。
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定刻の8:54ブダペスト東駅到着。
ここで高校時代の同級生が待っててくれている筈です。
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(つづく)

by feel-railside | 2014-08-14 23:12 | 海外
2014 欧州紀行【5】3日目 ミュンヘン München その2
なかなか更新のほうが進まずに申し訳ありません m(_ _)m

3日目、ミュンヘン午後の部です。
ミュンヘン中央駅のスタンドで軽く昼食をとった後は、腹ごなしに駅構内を散策しました。
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ミュンヘンらしくドイツ国内へのICEはもとより、オーストリア、イタリア、ハンガリーへの国際列車も次々と発着します。
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一番手前のMERIDIAN(子午線?)鉄道は昨年出来た新興のローカル私鉄。ドイツ鉄道(DB)の線路を借りてザルツブルクまで走ってます。運賃もDBより安く、いわば鉄道版LCCみたいなもんです。お隣にはオーストリア連邦鉄道(ÖBB)ご自慢の超特急、ウィーンを経てブダペストまで行くRailjetがいます。

ちなみにミュンヘン市の駅や停留所にある券売機は、何と日本語にも対応しています。燦然と表示される日の丸が嬉しい。トルコ語対応なのがドイツらしいですね。
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東京もオリンピックに向けてこれくらいの多言語表示の券売機は欲しいですね。


では再び、市電の撮影開始です。
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Hermann-Lingg-Straße 〜 Holzapfel Straße
P3型と同じカラーリングの車両も続々と青一色塗装に塗られて稀少になってきました。

ここでちょっと早めの夕食。
お昼に目を付けていたフランチスカーナーの直営レストラン「Zum Franziskaner」へ。何と創業は1363年とのこと!
日本がまだ南北朝時代だった頃からあるんですね〜。この頃飛行機があったら、後醍醐天皇も美味しいビールが飲めたかも、とかアホな想像をしながら、
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待望のヴァイスビール(小麦ビール)で650年の歴史に乾杯です。
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揚げたてのプレッツェルがまたビールとよく合います。4種の茸のスープも美味。
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そして待望の白ウィンナーとレバーケーゼ。結局ビール4杯とウィンナー4本食べたりして€30ほど払いましたが、大好きヴァイスビールとヴァイスヴルストを心行くまで食べられて大満足♪
日本人にも人気のレストランみたいでぐるなびページまでありました。


燃料投下したところで、ようやく日が傾いてきてくれました。
さあ、撮影再開です。
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Theatinerstraße - Nationaltheater

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Karlsplatz
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3点ともTheatinerstraße - Nationaltheater

やはりトラムは夜の街に映えます。
気付いたら22時頃まで撮影していました。


そして、今宵の宿はこちら↓です。
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(つづく)

by feel-railside | 2014-07-18 01:00 | 海外