北陸本線・撮影地回想【2】
前回からのつづきです。
北陸と言えば冬。冬と言えば、越前ガニ、寒ブリ、、、。と今なら撮影とグルメを天秤にかけたり(?)もしますが、当時はやはり雪降れば線路端に立っていました。
北陸本線の雪と言えば北陸屈指の豪雪地帯である福井県の今庄(現在の南越前町)でした。京都からなら、特急と普通を乗り継いで1時間弱。その後引っ越した先の金沢からなら、いつでもクルマで行けるとあって、結構な頻度で通いました。
富山や石川でチラチラ雪でも、福井に入り武生を過ぎたあたりから、南下すれば南下するほど雪深くなるから不思議なものです。季節風と地勢の関係でこの地に豪雪をもたらしているようです。
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大阪と青森を結ぶ、昼間を走る特急列車としては日本最長のランナー「白鳥」。
福井県の嶺南と嶺北を分ける長い長い北陸トンネルを抜けてきた瞬間です。まさに長いトンネルを抜けるとそこは雪国、という表現がピッタリ。当時、向日町(京都総合車両所)に所属するボンネット編成では唯一原型に近い型を保つA09編成はファンの間でも人気の的でした。A09編成の運用と降雪具合、そして仕事のシフトの3つ全てが幸運にも合致して、ようやく撮れたのは「白鳥」廃止の2ヶ月前。
かつては青函連絡船に接続し、関西対北海道の輸送を担ってきた特急「白鳥」が、1988年の連絡船廃止後も走り続け、21世紀まで何とか存在したこと自体が、今考えると奇跡であったなあと思います。
結局、「白鳥」の写真はこの1枚で満足して、その後廃止まで撮る事はありませんでした。
(2001年1月 北陸本線・敦賀〜南今庄)


そして、この撮影から9年後。再び南今庄を訪れる機会がありました。
「白鳥」なき後も地道に北陸本線で走り続けた「雷鳥」にもついぞ永遠に飛び去る日が近づいてきました。
やはり北陸特急に似合うのは雪です。9年前の残像を追うように、再び雪深い南今庄のホームに降り立ちました。
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雪を掻き分けて目的地へ奮進する姿は、まさに北陸特急の象徴であり真髄。迫力あるシーンを、と思い最後は流し撮りで収めることにしました。廃止間際で既にかなりの棲息数を減らしていた「雷鳥」。明るい時間で撮れるのは一度きり。前を走る列車で何度も練習し「振り」の勘を掴もうとしますが、なかなか「振り」が合いません。
そしてやや遅れて本命の「雷鳥」が雪ふりしきる中、鮮やかな赤とクリームのツートンカラーで近づいてきます。北陸トンネル内はMAX130km/hのスピード。リラックス、リラックスと声を出しながら、手持ちのカメラを列車の動きに合わせて斜め上に動かしながら、静かにシャッターボタンを押します。
「フッー」
列車が雪煙を巻き上げ通過したのを見送ってから、プレビュー画面を確認。
安堵感と喪失感。不思議な感覚のままこの駅をあとに。
帰京し、仕上がった見開きの色校を見て、ようやく安心しました。
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(2010年1月 北陸本線・敦賀〜南今庄)

(おわり)
次回からは再びヨーロッパの紀行のつづきです。



by feel-railside | 2014-08-24 12:06 | 国鉄型
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