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一年の計は三江線から
明けましておめでとうございます。
長らくブログを放置してしまい、申し訳ございません。
ここ数年はSNSメインの情報発信だったのですが、SNSだけでは書ききれない内容もありました。
何よりタイムラインという時間の軸で押し流されてしまい、過去の振り返りが難しいという欠点もあります。
またホームページを開設していた頃の掲示板で集っていた仲間からも、ブログの再開を望む声も上がってきました。
そこで2018年の始まりを機に、ブログを再開することにしました。
これからは、両者をうまく使い分けて行けたらと思います。

さて、年末年始はJR三江線の宇都井駅で迎えることになりました。
この3月末限りで廃止される路線です。
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宇都井駅は地元のボランティアの方々が中心となって、11月に「INAKAイルミ」というライトアップとイルミネーションの町おこしイベントが開催されています。
そしてNHKの「ゆく年くる年」で中継されることになり、イベントが再現されました。

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通常の営業列車が去った後、テレビ中継のために仕立てられた列車が3時間近く留め置きされました。
そして車内では、島根県出身の歌手・浜田真理子さんと地元の方々がアコーディオンの音色にのせて歌を歌う「うたごえ列車」が設定されました。
また駅のたもとでは、屋台が開設されて、こちらも大いに賑わいました。
テレビやラジオで全国へ向けて中継されたので、ご覧になった方も多いと思います。

「楽しかったけど、もう3ヶ月後にはなくなっちゃうんだよね」
そんな声が聞こえてきました。
廃止は延長も撤回されることもありません。
それが現実。
こうして、まちのかけがえのない財産として認識されたのも、皮肉ながら廃止が決まってからといっても過言ではありません。

そして、この問題は決して遠い中国地方の山あいの中にある三江線だけの問題ではありません。
大都市への人口の極度な集中、中山間地域の過疎化、そしてそれに伴うインフラ維持の困難化。
今後日本全体の人口減に伴って、これらの問題は次第に山から街へ降りてきています。
三江線の廃止は、縮小する日本の未来の縮図なのです。

少し固い話になりましたが、翻って自分自身。
美しく、懐かしい日本の原風景と鉄道を求めて、たどり着いた三江線。
写真家としてできることは、そのシーンを撮って紹介することくらい。
でも、それだけでいいんだろうか、とも。

盛り上がり、楽しくも、いろんな思いが交錯しながら、今年最初の撮影となりました。
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by feel-railside | 2018-01-02 13:38 | ローカル線
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